ストーリー■

■ 主人公、沙門天馬(さもん・てんま)は小さな町で喫茶店のマスターをしている。
数年前に両親が他界して以来、主人公がこの店を継いだのだ。
大学を卒業した天馬は企業に就職するという道もあったが、
幼い頃から何度も手伝いをした、愛着のある店を続ける事を決める。
若くして店を経営するには色々な困難もあったが、
両親の残してくれた財産と隣に住む世話焼きの花楠(かなん)のお陰で、
これまで特に大きな問題は起きなかった。

 ある日、主人公は外出中に古ぼけた神社を見つける。そこは幼い頃よく遊んだ場所で、
主人公は昔を懐かしみながらお参りでもしようと一際大きな鳥居をくぐった。

 主人公は神社で天女(あまめ)という派手な女性と、静香(しずか)という物静かな女性に出会う。
そして二人は主人公に願いの叶うたまごを託すと言う。主人公は、半信半疑のままに帰宅する。

 翌日、主人公の元に二人の少女が訪れた。少し大きなたまごを大事そうに抱えながら、
主人公に向かってこう言った。

「――あなたの願いを叶えに来たの」

 真音(まお)と鈴音(すずね)と名乗る二人の少女は、
主人公の願いを叶えるか否かに自分たちの運命がかかっていると言うのだ。
主人公は花楠と顔を見合わせて突然の出来事に戸惑うが、
他に帰る所がないという二人の女の子を寒空の下に放り出す事もできない。
それに世話好きの花楠は、自分に妹ができたと思ったのか随分と乗り気だ。

 こうして、二人の少女との奇妙な共同生活が始まる。